2008年2月19日

会社としてしなければならない事

2008年2月19日

多くの会社の経営者が、従業員の仕事に対する情熱の温度差に頭を悩ませておられると聞いたことがあります。私も、それは何なのだろうと最近よく思いを巡ら せます。仕事に対するスタンスの違い・年齢や立場の違い・生活の違い等々。確かにそういった部分もあるでしょう。しかし・・・

私は以前、 人材育成法の中でこんな話を読みました。「働きアリの法則」です。これはある学者の実験によって得られた法則ですが、働きアリを観察すると、良く働くアリ 2割、並の働きをするアリ6割、働かないアリ2割に分かれる。次に、働かないアリ2割を除き、並以上の働きをするアリだけにしてみると、やはりその中の2 割は働かなくなるのだそうです。さらには、良く働くアリ2割だけにすると、その中でも良く働くアリ2割、並の働きのアリ6割、働かないアリ2割に分かれる そうです。並のアリ、働かないアリだけを選んだとしても同様の現象が起こります。これを人間社会の会社組織に当てはめてみても、同様の現象が起こるそうで す。全体の2割が人罪。いくらトカゲの尻尾切りをしても、2割はダメな社員が出てしまいリストラで人員を削減したとしても、一時的に利益が上がるだけで何 ら根本的な解決にはならない。組織の2:6:2を意識し、「人財」「人材」「人罪」それぞれに合った育成法が求められると。

私の理想は社会性が有り、自己啓発意識が高い優秀な社員がたくさんいる会社にしたいと思っています。また、2:6:2の配分でない企業もたくさんあると思いますし、目 指してゆきたいと思っています。では一体どうすれば、優良な社員がたくさんいる会社になるのでしょうか。私はその答えを「マズローの自己実現の心理学」に求めます。

マズローの自己実現の心理学とは「人間の衝動・動機・欲求は、それ自体は、けっして悪いものではなく、中性的あるいは良いものである。人間には、生得的・本能的で、基本的な欲求があり、階層的に存在している。基本的な諸欲求を適度に満たされれば、人間は、停滞することなくますます成長し、心理的にいっそう健康になっていく。」つまり欲望を満たすともうそれにはあまり執着しなくなり、次の質の異なった欲望が現れてくるということです。

(1)生理的欲求
最も基本的で強く、生きていくために必要な、食物、水、空気、性といった生理的な欲求です。これらの欲求が満たされると次の欲求が生まれます。

(2)安全と安定の欲求
お腹がいっぱいになったら、今度は安全と安定を求めようとします。

(3)所属と愛の欲求
生理的・安全的に満たされてくると、徐々にそれらはあまり魅力的ではなくなってきます。そして次に親や仲間からの愛情を欲しがるようになります。

(4)承認欲求
親にかわいがられていても子供が反抗するように、「認めて欲しい」「評価してほしい」「自分に自身が持ちたい」と思うようになります。自尊心を養うことはとても重要なことです。なぜならそれが満たされると次に進めるからです。

以上の4つの欲求を、マズローは必要を満たすという意味で欠乏欲求としています。生命の危険にさらされず、経済的にもある程度安定し、家族と仲間がいて、他者から認めてもらえるような状態が続くと、次の段階に進む用意が出来ると説いています。

(5)自己実現の欲求
社会的に認められ、仲間に恵まれていても、何かしっくりこないものがある。自己実現の欲求が芽生えたのです。人間には、自分にしかできない固有の生き方をしたい、自分の可能性を最大限に実現したいという欲求があります。欠乏欲求が満たされた場合それを基礎にして出現するのです。

マズローは成長欲求と名づけいくつかの特徴をあげています。真・美・全体性・躍動性・独自性・必然性・正義・秩序・単純さ・無碍・楽しみといったものです。このように欲望をかなえていくことにより、成長していき、成長することによって、より大きな満足、やりがいを見出していくのです。

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それでは、会社としてしなければならないことは何でしょう。
「いかに早い時点で4つの欲求を満たしてあげられるか」です。その環境造りこそが、意識の高い優秀な社員でいっぱいの会社が出来上がる条件だと思っています。

社員への給与体系や社会保険・福利厚生の充実もそうでしょう。
経済的・時間的なゆとりを生み出すための、ITをフル活用した仕組みづくりや効率化もそうでしょう。円満な人間関係を作る最も基礎となる「元気な挨拶」「明るい対応」「感謝の表現」もそうでしょう。

お客様に幸せになっていただくためには、先ずは社員が幸せでなければなりません。
お客様に明るい対応をするためには、私を含め社員が元気で明るくなければなりません。

弊社の企業理念は「献身的に日々身を粉にして働かれている”白衣ユーザー”のために少しでもお役に立ちたい」です。そのためには私自身が社員のお役に立てるようにしなければならないと思っています。


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